入試のこと
最近、暗記をやめて思考力を重視しよう、みたいな風潮がある。
それに合わせて大学入試改革とやらで記述問題が導入されたりするらしい。
今年受験生の僕は旧型の暗記人間で思考力なんてこれっぽっちも持ち合わせておらず、このままでは社会に不必要の烙印を押されてしまうと大層怯えていた。
しかし、蓋を開けてみればむしろ自分に有利な評価法になっていたので安心しているところだ。だから強気になってこんな嫌味な文章を書いている。
記述問題で論理的思考力を問えるのか、はなはだ疑問に思っている。
僕は論理的思考力を問うことをウリにしているなんちゃらオリムピックというのに出たが、結局ただの暗記だったからだ。
その試験は記述式だったから、もちろん用語の暗記ではない。そうではなくて、論理の暗記だ。
Aという単語を覚えるのではなく、AだからBという論理をひたすら暗記するのだ。そうすれば、知っている論理をつなぎ合わせて解答を作れる。
だから、教科書に書いてある単語を覚えるのが短答問題への対策だとするなら、教科書に載っている論理を丸ごと覚えてしまうのが「思考力を問う」問題への近道だ。
そういう学習が有意義であるかは置いておくとしても、暗記と思考力を二項対立の関係に持っていくのには違和感がある。
話がそれた。この文章を書いた目的は、旧型人間の自分が新入試で有利なことを自慢することだったのを完全に忘れていた。
有利なんだからとやかく言うのも変な話だ。僕は最大限これにあやかろうと思う。
思考力ばんざい。新大学入試ばんざい。